コラム60 ~「何でもあり」だ、コスタリカ
先日(6/14)、今年のサッカー・ワールド・カップ(カタール)の最後の代表国が「コスタリカ」に決まりました。
日本と同じ組で、日本(FIFAランク23位)よりは、ランクは下位(31位)ですが、強豪です。
コスタリカと言えば、私がもう20年以上前に、3年間住んだ国でもあります。
「コスタ・リカ」はスペイン語で「豊かな海岸」という意味ですが、コロンブスが、美しい自然・金の装飾品に感動し「コスタリカ」と言ったことから、その名が出来たと言われています。
コスタリカは、中米の南端に位置し、中央に火山脈(富士山より高い山や活火山がいくつかある)を擁し、カリブ海と太平洋に挟まれた小さな国です。(面積は日本の中国地方と四国地方を合わせた広さに相当。約13.5%)
総人口は約500万人で、首都のサンホセ(人口40万人)は、標高は約1000メートルの高地にあります。
一年を通して気温約23度と安定しており、「中米のスイス」とか「夏の軽井沢」とか言われています。(一年中、半袖で過ごせます。)
コスタリカは、中立国で、かつ軍隊を持たない唯一の国です。(中立国で有名なスイスは、強力な軍隊を持っています。)その軍事費を教育費に回し、公立の幼稚園から高校までは全て無料です。
コスタリカは映画「ジュラシック・パーク」の舞台となった国で、地球上の全動植物種の約4%が生息すると言われる肥沃な自然環境を有し「エコ・ツーリズムの国」として、世界的にも有名です。
また、蝶類及び鳥類の豊富さはもとより、ウミガメの世界的産卵地としても有名です。手塚治虫の「火の鳥」のモデルとなったケツァール、色とりどりの嘴を持つトゥカンなど、熱帯ならではの鳥類を観察することができます。
コスタリカ人は典型的なラテンアメリカ人で、陽気で明るく気さくな反面、いい加減な面も合わせ持っています。とにかくよく喋りますが、平気で嘘はつく、約束は破る、時間は守らない、仕事はしない、人のものを盗む、とそれはもう感動もので、笑うしかありません。
コスタリカの思い出はたくさんありますが、その一つを紹介します。
ある日の夜中、友人(日本人)宅でのマージャンを終え、帰ろうと、外に出たら、私の車が見当たりません。
すぐに、警察等に連絡しましたが、進展はありませんでした。
数日後、犯人側から「車を返す代わりに、金をよこせ」との連絡があり、日時・受け渡し場所を指定してきました。(盗難手配が速かったせいか、車が売れなかったようです)
警察と、打ち合わせを行い、数人の警察官の待機場所、お金の渡し方、その後の私の援護(なんせ、犯人側は銃を持っているかもしれません)など、リハーサルを行ないました。
当日、私は、全てコピーした現金の詰まったアタッシュケースを、無事犯人に渡した後、直ぐに守ってもらい、その場を離れました。
数日後、犯人確保、車の奪還成功の知らせを聞きました。(車は無事戻ってきました)
ある日、数人の警察官が、犯人を連れて、私の仕事場(国立病院)にやってきました。
犯人は、警察官でした。
犯人である警察官は、私に謝りに来たのでした。
犯人は、笑顔でこう言いました。
「ペルドン(ごめんね~)」
私は、笑うしかありませんでした。