コラム62 ~来るぞ、来るぞ

コラム62 ~来るぞ、来るぞ

投稿日時:2022年7月3日

 ♪来るぞ 来るぞ 来るぞ 来るぞ 手ごわいぞ♪
子供の頃、テレビで視ていたアニメ『サスケ』の主題歌です。

 『サスケ』は、白土三平による漫画で、1968年にはテレビアニメ化されました。
甲賀流の少年忍者・サスケの活躍と成長を描く、忍者ものでした。
TBS系列で、7カ月間放送されましたが、視聴率は20%越えと、人気のアニメ番組でした。

 アニメ番組が終了して、28年後の1997年、同じTBSで、「一般視聴者参加型・障害レース」である『SASUKE』が、スタートしました。
 テーマは、「名も無き男たちのオリンピック」であり、 古舘伊知郎の熱い実況も名物となり、人気を得ていました。
 ちなみに、SASUKEのカメラ位置が横スクロールであるのは、『スーパーマリオ』を想定しているそうです。また、各ステージのコンセプトには『天空の城ラピュタ』から影響を受けて作られています。

 漁師やガソリンスタンドの店員や消防士などの一般人が、本気で競技に挑む姿には、感動すら覚え、最初の頃は、私もよく見ていました。
 いつの間にか、『SASUKE』は、国外でも放映され、人気を得、現地での海外版も制作されています。(『SASUKE / Ninja Warrior(忍者戦士)』)
 現在では、世界中160以上の国で見られ、全世界で10億人の視聴者がいるとされ、世界大会が開催されるほどの人気競技だそうです。

そして、先日、この『SASUKE』が、オリンピックの種目候補になったことが発表されました。
 と言っても、一種目単独ではなく、「近代五種」競技の中の1つ、馬術に代わる種目(障害物レース)としてだそうです。

 「近代五種」は、水泳フェンシング・レーザーラン(射撃ランニング)・馬術の5種目で争われる競技で、長い歴史、過酷さから「キング・オブ・スポーツ」とも称されます。
 しかし、5種もこなせる競技人口が少ないこと(日本は約50人)、競技に時間がかかりテレビに向かないこと、人気低迷などから、競技種目から除外される危機にありました。
 特に「馬術」は、公平性に欠ける(騎乗馬は抽選により決定。馬との調整はたった20分。)こと、馬の飼育や練習に費用がかかること、東京オリンピック(2020)で発生した動物虐待事件などで問題視され、「馬術」が競技から外されることとなりました。

 TBSは「SASUKE~Ninja Warrior~」の番組セットの提供を、国際団体からの要請を受け、大会に協力することで合意。実際に欧州での現地版収録で使われている番組セットが、テスト大会で使用されることになりました。

 今後、複数回行われるテストを経て、12月のIOC(国際オリンピック委員会)理事会で正式競技として採択されれば、2028年ロサンゼルス五輪から「SASUKE~Ninja Warrior~」が五輪競技となります。
 日本の人気テレビ番組が五輪競技化という異例の変貌を遂げることになり、日本人として誇らしく思います。

 この決定に熱くなっているのは、TBSやSASUKE関係者だけではなく、ジャニーズファンも盛り上がっているそうです。
番組にはさまざまな芸能人が出ています。なかでも、ジャニーズの常連には、「ジャニーズからオリンピアン!」と期待がかかっているそうです。
 SASUKEだけでなく、他の競技にも取り組まなくてはならず、ハードルはかなり高いと思いますが、目指すだけでも盛り上がると思います。
 いっそのこと、「SASUKE」だけの競技種目が生まれたら、もっと面白いのになあ。

ちなみに、採択の対抗は、自然環境を進みながらゴールを目指す「アドベンチャーレース」だそうです。

勝負は12月。
「SASUKE」が来るかなあ?

来るぞ 来るぞ 来るぞ 来るぞ