コラム71 ~「火曜から、早起き」
たまには、私の唯一の趣味「ゴルフ」の真面目な話題など。
今、世界のゴルフ界が、大変なことになっています。
ゴルフ発祥の地とされるイギリス(スコットランド)に世界最古のゴルフ場といわれるセント・アンドリュース オールドコースがあります。
その地に、ゴルフ界の総本山といわれるR&A(英国ゴルフ協会)があり、そのR&AとUSGA(全米ゴルフ協会)により、ゴルフのルールが決められています。
しかし、実際には、プロゴルフのツアーなど、世界のゴルフをリードしているのは、PGA(全米プロゴルフ協会)です。
そのPGAに対抗して、去年、「LIVゴルフ」が設立され、今年6月から開幕戦(招待)ツアーが始まりました。(現在まで、3戦行われました。)
LIVとは、ローマ字で54を表し、その名の通り、54ホール(3日間)で行い、また、スタートも各ホールから一斉に行う(ショットガン方式)ので、時間が短く、見る方も楽でいいという側面もあります。(通常の男子ツアーは、一組ずつ順番に18ホールを4日間、計72ホールの合計で争います。)
LIVツアーでは超破格の賞金(PGAツアーの10倍以上、日本ツアーの20倍以上)が出ますが、問題は、そのスポンサーが、サウジアラビア王国(王家)であるからです。
(サウジアラビアは多くの人権問題や、テロリスト支援などで、世界中から非難されていますが、それらから逃れるため、ゴルフ以外にもF1(モータースポーツ)やサッカー、ボクシングなどに莫大な資金を投入している、と言われています。)
PGAツアーのトップ選手を、多額の移籍金で引き抜いて、賞金も高額であるため、既に30人以上の選手がツアーに参加しています。(日本人は4人)
PGAは、「参戦選手は今後一切出場停止ないし除名処分もあり得る」と警告を出しましたが、現在、裁判にもなっていて(独占禁止法違反など)、まだまだ、この問題が今後どうなるかわかりません。
先日、PGAは、来期のツアーの資格を剝奪すると決定しました。(DPワールドツアーも罰金と出場停止処分を課しています。ちなみに日本では、現在の所、日本ツアーの参加を認めていますが、まだはっきりと方針を決定していない協会(国)も沢山あります。)
PGAは、トップ選手の出場試合増強や、賞金増額などの対抗策を打ち出しましたが、先日、タイガ―・ウッズとローリー・マキロイの、2大スターが、新しいプレースタイルの新リーグ『TGL』を発表しました。(もちろん、PGA協賛。もちろん二人とも出場。)
選手がプレーするのはゴルフコースではなく、フットボールのスタジアムやバスケットボールのアリーナなどの特設コートが舞台です。
ここに巨大シミュレーターが作られ、PGAツアー選手3人一組の6チームがマッチプレーで対戦するという、テクノロジーとりあるリアルゴルフが合体した、全く新しいスタイルです。(2024年1月より、毎週月曜日、アメフトのシーズンオフの期間に年間15試合行う)
テクノロジーを駆使したバーチャルコースでプレー。ドライバーなどのロングショットは巨大スクリーンに向かって打ち、パットを含めたショートゲームは、形状が調整できる芝生エリアで実際にプレーするそうです。
「これはプロゴルフの次なる進化。未来のゴルフを作って行く」とウッズは言っています。
ゴルフは他のスポーツと違って、すべてのプレーが目の前で見られませんが、この対戦は、どんな瞬間も見逃すことがなく、観戦時間(放映時間)も短くて済みます。
今まで広大な場所で時間もかかり、「ゴルフはオリンピックに不向き」と言われていましたが、この方法に人気が出れば、オリンピックで採用されるかもしれません。
どんなリーグになるか、今から楽しみです。
「月曜から夜ふかし」(日本テレビ、マツコ・デラックス司会)などという番組があり、くだらないけど面白いので時々見てしまいますが、TGLが始まったら、「月曜は早寝」し、「火曜から早起き」になりそうです。