コラム100 ~「世界一」ゲッツ
このコラムも、ついに記念すべき100回目を迎えました。
今回の題材は、何といっても、記念すべき14年ぶりの「世界一」、WBC(ワールド ベースボール クラシック)でしょう。
まるで漫画、ドラマのような、侍ジャパンの優勝劇に、日本中が沸きました。
私は、今回の勝因の1つは、『ペッパー・ミルパフォーマンス』だったと思います。
侍ジャパン初の日系外国人・メジャーリーガーのヌートバー(たっちゃん)が持ち込んだ、塁上でのパフォーマンスを、みんながやっていたことです。
みんなが1つになって、楽しそうに野球をやって、ついに世界一になったんだと思います。
昔から、特にホームランを打った時などにパフォーマンスをする選手はいました。
古くは、秋山(西武)のバク宙、松田(ソフトバンク→巨人)の「熱男~」、山川(西武)の「どすこ~い」などが有名です。
外国人では、ラミレス(ヤクルト→巨人→DeNA、通称「ラミちゃん」)の「ゲッツ」、「アイーン」、レアード(ロッテ)の「寿司ポーズ」など、外国人は、変わったところに目をつけることが多いようです。
もう一つの勝因は、『栗山監督』です。
スポーツキャスターとして人気がありましたが、現役生活は短く、指導者の経験もない人を監督に迎えた(2011年)日本ハムは、かなり冒険したと思います。しかし、10年も続ける名監督になりました。
なかでも、最大の功績は、監督時代(2012年)に、メジャーリーグへの挑戦を表明していた高校生・大谷翔平を説得して、日本プロ野球(日本ハム)に入団させたことです。
『二刀流』という発想は、日本でもアメリカでもありませんでしたが、日本ハムは「二刀流をやって、時期が来たらメジャーに行く」事を容認した上で、大谷選手を入団させたのでした。
栗山監督は大谷選手を投手としても打者としても大事に育て、成長させました。
大谷選手が日本ハムに入らず直接メジャー行っていたら、投手か打者のどちらかをメインにやらされ(二刀流はなく)、あそこまでスーパースターにならなかったと思います。
また、ヌートバーという誰も知らない選手に目を付け声をかけて、代表に選出したのも大きな功績です。
活躍した選手はもちろんすごいですが、このメンバーを集めてうまく使った栗山監督も素晴らしかったでした。
次回のWBCは、3年後ですが、栗山監督は、「今日で、監督終わるので。肩書のない人になっちゃうので。」と優勝後の会見で話したことにより、すぐに「退任報道」が広まりました。
そして、マスコミは、「次の監督は誰だ?」と、騒いでいます。
工藤公康(元ソフトバンク監督)を筆頭に、古田敦也(元ヤクルト監督)、松坂大輔(「平成の怪物」)、「原辰徳」、「イチロー」、「ダルビッシュ有」などと言いたい放題です。
もちろん、栗山監督再任を望む人は多いと思います。
今回のWBCは、栗山監督でなければ、ほぼベストなメンバーを集めることも、優勝もできなかったと思います。
ちなみに、栗山監督は、日本ハム監督時代も、何度も辞意を漏らしながら、続投していました。
「駆け引きがうまい」という評論家もいるようですが、果たして?
人気が薄いため、自分の持ちネタをやると、「『ラミちゃん』の真似をするな!」と、叩かれたこともあるそうです。