コラム17 ~東京オリンピック~ちょっといい話
コロナ禍でもあり、始まる前からいろいろと批判も多かった東京オリンピックですが、何とか無事?に閉幕しました。
私個人の考えですが、オリンピックはやってよかったと思っています。
たまに見るテレビから、選手の懸命な姿に興奮・感動を得れましたし、何より選手たちが4年プラス1年、頑張ってきた姿を見れた(見せれた)だけでも良かったと思います。(選手たちの中には、もう次がない人もいっぱいいたわけですから、ましてやコロナ禍で、精神的にも大変だったと思います。)
そんな中で、終わった後にも、いろいろな話題が出ており、その中で、「いい話」と思ったことを、かいつまんで紹介します。
1.「アーバンスポーツ」の台頭
「エクストリームスポーツ」とは、速さや高さ、危険さや華麗さなどの「過激な (エクストリーム)」要素を持った、スポーツの総称です。(=「Xスポーツ 」)
BMX(自転車のモトクロス)、スケートボード、クライミング、ボルダリング、スノーボード、スカイダイビング、サーフィンなど沢山の種目があります。
「アーバンスポーツ」とは、エクストリームスポーツの中で、都市で開催が可能なものをいいます。(大がかりな施設を必要としない都市型(=アーバン)スポーツ)
今回の東京オリンピックでは、BMX(フリースタイル)、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィン、バスケット3X3が新種目として追加されました。
これらの「アーバンスポーツ」では、「楽しむ」というスポーツの原点を再確認させてくれました。
これまでは「体育会系」スポーツが中心であり、根性・忍耐の世界で、ピラミッドを這い上がるという既存のスポーツとは違い、アーバンスポーツは、いい意味での「遊び」から始まっていて、新しいスポーツの形を見せました。
私は「体育会系」な人間ですので、「根性!」とか「お涙ちょうだい!」的なスポーツも決して嫌いではないのですが、、、
スケボーで、最年少金メダリストとなった13歳の西矢椛ちゃんがインタビューで、こう言っていたのが印象的でした。
『ライバルなんていない、みんな友達!』
2.スタッフの夢
オリンピック精神をあらわすものとして「参加することに意義がある」というフレーズがあります。
これは選手だけではなく、大会に参加したすべての人たちに通じることです。
開会式で、国名や地域名の書かれたプラカードを持って選手団を先導する「プラカードベアラー」を務めた茂木孝子さん(57)もその一人でした。
茂木さんは、21歳の時に交通事故で右足を失い、現在は義足で生活をしています。
開会式ではあえて義足が見えるショートパンツを選び、プラカードベアラーを務め、世界中に生中継されました。
『私の義足には、息子がデザインしてくれた桜の花が描かれているんです。それを世界の人に見てもらうのが私の夢でした。夢がかなって、本当にうれしい』
3.スタッフの機転で出場でき、メダリストに
男子110メートル障害の準決勝の直前、ジャマイカのパーチメント選手はバスを乗り間違え、出場もかなわないと思われました。
しかし、大会関係スタッフの女性(河島ティヤナさん(25))からタクシー代(自腹で1万円)を手渡され、出場できました。
後日、河島さんを探し、1万円とユニフォームを渡し、感謝を伝えたパーチメント選手。
「見せたいものがある」。
そう言ってバッグから取り出したのは、なんと「金メダル」でした。
『私の1万円は仕事をすればまた手に入ります。彼の人生と私の1万円は重みが違うので、ためらいはありませんでした。』
もちろん、手に乗せられた金メダルを、河島さんは噛みませんでした。